わが国は昭和58年に「留学生受け入れ10万人計画」を策定し、留学生の受け入れ拡大に取り組んできました。平成15年には目標を達成し平成16年には留学生の数は11万人を超える状況になっております。
留学生の受け入れは、人材の育成に通じた知的国際貢献として位置づけられ、わが国と諸外国との間の人的ネットワークの形成や、相互理解と友好関係を深めることにより、世界平和と安定に資するものになると考えられております。
わが国から帰国した留学生が政治、経済、学術等、様々な分野で活躍し、もってわが国と相手国との架け橋として友好関係の促進に貢献することが期待されているわけです。
にも拘らず、帰国後「日本嫌いになる」留学生が多いという声も聞かれます。これは言語、風俗、習慣の違い等に加えて、物価が高く、そのため経済的に大変苦労する、ということもその原因になっているものと考えられます。折角高い志を持って留学してきた学生が、学費や生活費のために勉学に打ち込むことが出来ず、志半ばにして修学を断念せざるを得ないような状況に陥るようなことがあるとすれば、又、たとえ所期の目的を達したとしても、「日本嫌いになる」とすれば、それは誠に残念といわざるを得ません。